将来介護費
最終更新日 2021年 02月03日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠
将来介護費というのは、重度後遺障害により、症状固定後も介護が必要となる場合の介護費のことです。
将来介護費は、以下の計算式によって算出されます。
(年間の基準額)×(生存可能期間に対するライプニッツ係数)
認められる条件としては、医師の指示または症状の程度により介護の必要があることです。
原則として後遺障害等級の別表第1、1級1号または2級1号の場合に認められますが、症状によっては3級以下の高次脳機能障害者にも認められることもあります。
1 基準額
職業付添人は実費全額、近親者付添人は1日8000円を目安としていますが、具体的な看護状況次第では、複数人の介護者が必要であるとしたケースも見られます。そのため、介護の実態を詳細に立証するための資料収集が重要となります。
2 生存可能期間
平均余命数とライプニッツ係数表をご参照のうえ、該当するライプニッツ係数を把握しましょう。
ところで、一般には植物状態及びこれに近い症状の重度後遺障害者の生存可能期間については、感染症にかかりやすいなどの理由によって、通常人よりも生存可能期間が短いとされています。そのため、平均余命年数未満の生存可能期間を用いた判例も存在します(札幌地裁昭和58.2.15 交民16.1.159)。
しかし、平均余命までの生存期間を用いることの方が実務の大勢といえます。そのため、保険会社が上記のような主張をしてきたときには、怯むことなく平均余命一杯の生存可能期間を主張しましょう。